スクラッチ開発においても、昨今ではコスト削減を考えていく必要があります。
具体的には、サーバーレスといったアーキテクチャ観点での工夫。また、既存のサービスを使う(シングルサインオンや決済など)もよく行われています。
そのためシステム開発本来的に付加価値の高い領域に投資をする必要があります。そのためには、汎用的な機能についてはクラウドサービスなどを利用することで総合的に効率的なシステム開発を目指します。
ゆえに、システム自体の付加価値向上を目指すのが現代的なシステム開発です。

スクラッチ開発は増えている!

DXが推進されている昨今、新規のクラウドネーティブなアプリケーション開発は2019年の3倍以上になるといわれています。
これからクラウド上で新しく開発されるアプリケーション数の推移予測
(出典:「ServiceNow Creator Day 2023」の基調講演資料

ノーコード/ローコードツールは限界がある!?

最近はKintoneを始めとしたノーコードツールがたくさん登場しています。そういったツールを使いこなすことで簡易に業務システムを準備することができます。
かつてNotesがユーザ主導で普及したように、多くのシステムが生まれていることも想定されます。一方で、複雑なことを実現したい場合ノーコードだとカスタマイズ難易度があがります。そのため、返ってコストがかかってしまうこともあります。また、特に差別化したいことをシステム化しているという背景からも自由度が高いスクラッチでの開発を望む企業も多くいるのが現実です。

マスタメンテナンス機能の重要性

システム開発においてほぼ必ずといっていいほど「開発の必要性はあるけど付加価値が低い機能」としてあげられるのが、マスタメンテナンス機能です。
マスタメンテナンス機能は、システムとしてのROIを上げることはほぼありません。
また、利用頻度もそこまで高くはない場合も多くあります。そのため


エンドユーザ部門での運用を考慮した場合、開発が必要になることが一般的です。予算の問題で真っ先に削られる部分でもあるのですが、もしマスタメンテナンス機能を用意しない場合、結局はエンジニアによるSQLでのデータベース直接修正などをphpMyAdmin等のデータベース操作ツールを通じて行う必要があります。その場合、セキュリティ、コンプライアンス(作業ログが残らない)、エンジニアコストなどの観点から望ましいものではありません。
したがって、必要だけどコストは掛けたくない。そんな状況にあるのがマスタメンテナンス機能だと言えるでしょう。

時代の変化がスクラッチ開発の実現方法を変化させている

では、これまでマスタメンテナンス機能のSaaSが多く登場してこなかった背景はなんでしょうか?

ひとつは、セキュリティに関する考え方です。
過去には、AWSのようなクラウドを利用している企業が圧倒的に少なかったです。
というのも、データベースはオンプレミスで自社内(自社データセンター内)に置くのが一般的でした。
そのため、そのデータベースに対して外部からツールで参照・編集・管理する。ことはセキュリティ上望ましくない、という考え方が一般的でした。
しかしながら今は、データベースはAWS(クラウド)のRDSといったマネージドサービスを利用するのが一般的になってきています。
そのため、クラウドサービスと自社クラウド環境間のセキュリティ担保の方法も確立され、こういったサービスの利用ができる時代になっていると言えます。

システム開発をSIerに?

ふたつめは、システム開発をSIerに外注している企業が多いからです。
システム開発会社は、SEの稼働時間に対してチャージしていることがほとんどです。つまり、開発する量が多ければ多いほど儲かる仕組みです。マスターメンテナンス機能もROIが低いと分かっていたとしても、作れば売上が上がるというのが実態です。
したがって、積極的に外部ツールでシステム開発コストを下げようとはしません。

ただこの点について、エンドユーザ企業によるシステム開発の内製化が昨今の主流です。
エンドユーザ企業は、ただでさえエンジニア不足が深刻な問題になっています。
そのため、ROIの低い機能の開発にリソースをさきたいとは考えていません。
「適切なサービスを組み合わせて差別化すべきところはスクラッチ開発でしっかり作り込みたい」
そういった思いを持っているエンドユーザ企業も多いでしょう。

このような環境変化、時代の変化で求められることは
「組み合わせて素早く作る」
「変化が必要な部分はアジャイルで作る」
といったトレンドになっているとも言えます。

内製化でのシステム開発のコスト削減したい企業様はぜひSMOOZをお試しください。