マスターデータマネジメント(MDM)は、企業のデータを一元的に管理する手法です。つまり、データの品質と整合性を保つための手段です。
ただし、「マスターデータマネジメントを行うための(システム)」を略しMDMと呼ぶこともあります。
そのため今回はMDM(システム)の導入に関する内容に触れていきます。
そして、MDMの導入は簡単なものではありません。以下は、MDM導入の際に直面する主な課題について詳しく説明します。

1 マスタデータの品質問題
2 マスターデータマネジメントのための組織の変革管理
3 マスターデータマネジメント導入に際する技術的な課題

4 マスターデータマネジメント(システム)導入のコストの問題
5 マスターデータマネジメントに対する長期的なビジョンの欠如
6 まとめ

1.マスタデータの品質問題

マスターデータの品質が低い場合、MDMの導入は困難です。というのもMDMはデータの不整合や重複、欠損などの問題が存在する場合、それらの問題を解決するために導入するのですが、しかしながらそこが導入する際の一番の障壁です。
つまり、データクレンジングやデータマージの作業は、導入の初期段階での大きなハードルとなることが多いです。

2.マスターデータマネジメントのための組織の変革管理

MDMの導入は、初期からであれば問題ないですが、運用途中から導入する場合には組織全体のデータ管理の方法を変えることを意味します。そのため、組織の文化や構造の変革が必要となる場合があります。その結果、新しいプロセスや役割の導入が必要です。また、従業員のトレーニングが必要となり浸透が難しい場合もあります。

3.マスターデータマネジメントシステム導入に際する技術的な課題

MDMの導入には、特定の技術的なスキルや知識が必要です。既存のシステムとの統合、データモデリング、データマイグレーションなどの技術的な課題に対処するための専門家が必要となることがあります。

4.マスターデータマネジメントシステム導入のコストの問題

MDMの導入には、ソフトウェアのライセンス費用、ハードウェアの導入の際の初期費用、トレーニング、コンサルティングなど、多くのコストが関連しています。
ただし、その費用は決して安くなく、予算の制約やROIの検討が導入の障壁となることがあります。

5.マスターデータマネジメントに対する長期的なビジョンの欠如

MDMの導入がゴールでありません。MDMは長期的なプロジェクトであり、短期的な成果を期待することは難しいです。そのため、長期的なビジョンや戦略が明確でない場合、プロジェクトの途中で方向性を失うリスクがあり利用の浸透がされない場合があります。

参考:EnterpriseZine(エンタープライズジン)本末転倒、全部盛り、塩漬け……なぜ多くの企業はマスターデータマネジメントに失敗するのか?

6.まとめ

MDM(マスターデータマネジメントシステム)の導入は、上記のような多くの課題に直面しますが、正しく導入されたMDMは、データの品質と整合性を向上させ、ビジネスの効率を大幅に向上させることができます。ゆえに、導入の際には、十分な計画と準備が必要です。

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