マスターデータを統合的に管理しようと、MDMの導入を検討する企業も多いかと思います。一方で、MDMパッケージはとても高価です。また、導入に際して発生する工数(導入コスト)がとてつもなく高いです。そのため導入は断念したという声もよく聞こえてきます。

そのため、一般的にMDM製品は費用に対してビジネス上のメリットが少ないとも言われます。ではなぜこのような価格設定になってしまうのでしょうか?いくつかの要因を紹介してみます。

1.(過剰に)複雑な機能

MDM製品は、いくつものシステムの複雑なマスターデータを統合・管理・整合性維持することが求められます。そのため、様々なデータソースからデータが収集できる機能があります。それに加え、データのマッチング、重複排除、品質向上など様々なデータ管理機能が求められます。
ゆえに、この機能の複雑性は高く、開発コストが嵩む部分でもあり、製品価格を押し上げる要因になっています。

2.スケーラビリティ

MDM製品は、多くの場合は大企業で導入が検討され、複数の部門やシステムと統合する必要があります。そのため、アーキテクチャはエンタープライズ向けになりがちです。また、ボトルネックとならないようパフォマンス(性能)やスケーラビリティ(拡張性)についての厳しい要求に対応する必要があります。その結果ハイエンドなインフラストラクチャが必要となります。

3.セキュリティとコンプライアンス

マスターデータは企業の最も重要なデータ資産の一つであり、セキュリティが重要です。ゆえに、MDM製品は、高いセキュリティレベルを実現させる必要があります。また、データを維持管理するための権限管理や操作証跡を高いレベルで残すことが求められます。

4.MDMパッケージのライセンス体系

MDM製品は、通常はパッケージ製品として販売されています。そのため、ライセンス費用とサポート契約に基づいて販売されます。また、大企業向けの大規模なパッケージ製品であることが多いです。その結果、製品の開発・保守・アップデートに多額の投資を行っているのが実態です。

5.まとめ

以上のような要因が組み合わさり、MDM製品は高価になっていると言えるでしょう。
もちろんMDM導入によるROIを十分に得れる企業もあります。ただ費用に見合うビジネス上の高価を算出しにくい点で導入に慎重となる企業も多いでしょう。

MDMで統合管理するべきなのか。それぞれのシステムのデータベースを適切に管理できればよいのか。費用対効果を考えて検討すべきでしょう。

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複数システムのデータを統合管理することが目的ではありません。もし、ブラウザ操作のRPAを導入していればMDM的に活用することも実現できます。ただし、単一システムのマスタを適切に管理することが求められることも多々あります。
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