Googleは2025年2月5日(現地時間)に「NotebookLM Plus」が「Google Workspace」のコアサービスとして利用できるようになったことを発表しました。そして、同月10日にはGoogle One AIプレミアムにも追加されたことで法人・個人どちらでも有料プランにて本格的に利用できるように発表しました。
以前までは無料でサービスを提供していました。それが本格的に利用できるようになったことで業務的利用が見込まれます。
「NotebookLM」 は昨年2024年6月には日本語対応。そしてその後も様々なアップデートがされてきました。具体的には音声の掛け合い機能など、生成AIを特にブリーフィングのために使いやすくした機能が備わったサービスです。このサービス有料と無料のプランの違いを比較していきます。
この記事でわかること
・「NotebookLM」と「NotebookLM Plus」と「NotebookLM Plus for Enterprise」の違いがわかる
コンテンツ
NotebookLMとは?
簡単に言うなれば資料やデータを基に会話できるAIということです。いろいろなPDFをはじめ、動画やYoutubeのURLなどなんでもまとめてそれについて解説してくれる生成AI(のための箱?)です。
これは以前から無料で提供されていますし、現在でも無料で制限はありますが利用できますのでぜひ利用してみてください。詳しくは以下をご確認ください。
特に「二人の掛け合いの解説」や、GoogleらしいYoutube動画をリンクを渡すだけで読み込んでくれるような機能もあります。
NotebookLMが使えない!
Googleの検索のサジェストに「notebooklm 使えない」とありました。おそらくこれは利用できないという意味だと思います。個人のGmailアカウントではなく、特に法人でアカウントを利用している場合だとありえます。
Google Workspaceには企業で利用するため管理者がいます。そのため、以下のように制限をかけれるようになっており、おそらく企業のポリシーとして機能をオフにしているか特にオフのまま気にしていないかだと思います。
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これは管理画面の一部ですが、このようにGeminiアプリなど含めて企業側が利用させるかどうかをオンオフ可能です。企業として利用したい場合は管理者アカウントを使うユーザーに問い合わせてみましょう。
個人で使う分には契約していなければ無料の範囲で利用可能ですので(https://notebooklm.google.com/)にアクセスしてぜひ利用してみましょう。
ちなみに管理画面上からはNotebookLMの利用状況は確認できませんでした。
誰がどのぐらい利用しているかなどのユーザーレベルの使用状況は現状「Gemini アプリ」の回数のみ確認できます。内容までは確認できないので、Geminiアプリ限定で利用回数などから積極的に利用が進んでいるかは確認できるようです。
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NotebookLM無料とNotebookLM Plus有料の違い
このページが機能的違いをまとめた公式ページです。
https://support.google.com/notebooklm/answer/15678219?hl=ja
文章で書いてあるのでわかりにくいので、これをまとめてみました。
比較項目 | NotebookLM (無料) | NotebookLM Plus | NotebookLM Plus for Enterprise |
---|---|---|---|
価格 | 無料 | Google One AI プレミアム月額2,900円〜 もしくは Google Workspace Business Standard加入 月額 ¥1,900~ (月払い) | Google Cloud で利用 (問い合わせ) |
ノートブック数 | 最大100 | 最大500(5倍) | 最大500(5倍) |
ソース数/ノートブック | 最大50 | 最大300(6倍) | 最大300(6倍) |
日次チャット上限 | 50回 | 500回(10倍) | 500回(10倍) |
音声生成上限 | 3回/日 | 20回/日(6.7倍) | 20回/日(6.7倍) |
共有機能 | ブックごと共有 | チャット限定共有可能 | 組織内階層型アクセス制御 |
応答カスタマイズ | 不可 | スタイル/長さ指定可能 | エンタープライズ向けカスタマイズ |
利用分析 | 不可 | アクセス解析可能 | 詳細な利用統計レポート |
データ保護 | 標準 | エンタープライズ基準 | VPC-SC + IAMコントロール |
サポート | コミュニティ | 優先サポート | 専属テクニカルアカウント |
Google One AI プレミアムについて
https://one.google.com/intl/ja/about/ai-premium/
Google Workspace プランについて
https://workspace.google.co.jp/pricing?hl=ja#compare-plans-in-detail
今回有料プランに正式対応に伴い無料プランだとAudio生成上限がついてしまいました。
と言って一日3回でも十分という場合も多いと思います。ノートブック数が最大50も無料としては十分すぎます。
ノートブックを共有してもソースの上限は変わりません。お客様ご自身と共有相手はどちらも、対象のノートブックに最大 300 のソースをアップロードできます。
有料プランはその5倍以上の利用ができますが、そのノートブックを共有した場合相手が無料でも有料の制限が適用されるようです。すごいですね。
ちなみにGoogle Workspace Business Starter(月950円)という最小のプランだとさすがにPlusは利用できませんので無料扱いです。
Enterpriseは本当に隔離したい時ですがそこまで利用する企業も多くないのかなと思われます。どうしてもという場合には問い合わせてみるのがいいのかもしれません。
問い合わせ
https://cloud.google.com/resources/notebooklm-enterprise?hl=ja
NotebookLMのデータ保護とデータの使用方法について
入力したデータの取り扱いです。注意が必要なのは「Google One AI プレミアム」経由の場合です。その場合人が確認し改善を行う可能性がある点です。人が確認しているためそのまま利用したりはないがというニュアンスとも受け取れなくないですが確認される可能性があるという点です。
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逆にワークスペースを使っていれば学習されることはありませんし、NotebookLM Plus for EnterpriseはGCPの中で動くものなのでそこにしか残らないよ。という内容のようです。
NotebookLMの利用シーン
リサーチ&シンセシス
NotebookLM利用シーンにどんなものが考えられるかというと、先日、DeNAの南場 智子会長が利用していると話題になりました。NotebookLMの利用法に、初めて会う方をPerplexityで調べNotebookLMに情報をアップしYouTube発信されていればそれもあげてその方の事前のリサーチに活用しているとのこともおっしゃられたようです。
これにならうのであれば、営業であれば初めての企業様の沿革や情報を調査されると思いますが、それを効率よく行うことが可能です。
しかも最近PerplexityはOpenAIに続き、ディープリサーチという機能を搭載させました。
このディープリサーチは複雑な調査タスクを自動化するというものでいままでだと少ししらべて回答だったものをさらにそこを自動で掘り下げていくというものです。
OpenAIの場合だと現状Proプランが必要なので月額3万円必要です。(ただし今後無料やPlusでも回数制限ありで使えるようにするとすでに発表があります)。
Perplexityは、もちろん精度では劣る印象もありますが、それが有料プランでも10分の1の料金なので、それで使えるのであれば利用頻度が高くない場合には、品質が劣っても十分な内容ではあるので、コスパはすごくいいです。
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そしてNotebookLMの良いところは、単に情報を集めて要約するだけでなく、その内容に対して意味論的(セマンティック)に質問や追加の要求ができる点です。
しかも先日ベータ機能として追加された機能が「インタラティブモード」です。
このインタラティブモードはAI達の会話にこちらが参加できるというものです。
そうすることにより会話に3人目として参加しながらその情報をもとに会話することができるのです。
ただAudio Overview自体まだ英語だけなので早く日本語に対応してほしいです。
もちろんポジティブにとらえれば英会話の練習になるのでヒアリングだけじゃなくスピーキングもできるのでこれを機に好きな分野の情報をNotebookLMに集めて会話することで飽きることなく英語習得が進みそうです。
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最新のニュースのURLをすべて投げる
最新のニュース情報を投げれば、まさにあなた専用の新聞を作り出すことも。
先ほどのように現状は英語音声でポッドキャスト形式にすることも。
まとめ
このNotebookLMは技術者は要件段階の整理などはもちろん、管理職、営業職、企画職など幅広い層の方の活用が見込まれます。
またGoogle Workspaseであれば標準として使えるようにしたことで、このサービス単体としてというよりかはMicrosoft Teamsなどへの流出を防ぐ目的も考えられます。
最近ではGoogleドキュメントやスプレッドシートもワードやエクセルと遜色ないほどに進化していますしGemini2.0proといったLLMの精度も一足遅れてではありますが、他の企業のLLMと遜色ないレベルまでになってきています。しかも安い。
もしかしたら、とりあえずGoogle使っておけばOKという認識が浸透する可能性もあるかもしれません。